1.  ○○○○○はじまる

 

そもそも、新たな装いでギャラリーが再稼働したのだから、店主のあいさつのコーナーぐらいは日の当たる表街道にちゃんと設けようと最初は考えていたのだ。しかしどう考えても真面目に考えれば考えるほどそれは面白くないものになる。さて如何したものか。そんなとき企画担当がこう言ったのである。「店主のコラムでバッハのカンタータのことばっかり書いてみれば良いのではないか。その方がどんな人間か伝わるのでは?」と。

ああ、さすがは企画担当、渡りに船とはこのことである。もちろんとび乗った。とはいえカンタータのことばっかり書いたのでは企画の進言そのままなのでちょっと悔しいから、というよりも誰も読んでくれないかもしれないので、もう少し幅は拡げようと思う。しかし、よく考えたら挨拶なら一度で済んだ物を、コラムではしょっちゅう投稿することにならざるを得ないだろう。企画担当にまんまとのせられたのではないかという気もするが、もうギャラリーも白山羊も走り出してしまった。車も山羊も急には止まらない。目指すのは日本人の心への○○である。いや、○○○○○か。

 

丸の中に何をいれるかは読者の方にお任せする。答えはあるが、内緒である。

そうしたほうが面白いと世阿弥も言っている。