20.  備前 小出尚永展 始まりました

 

小出尚永さんの個展が始まりました。

 

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作風、というものがある。
「作」は人間の行為であるので、作風にはその作者である人間がそのまま現れる。
やきものにも様々な作者が居て、その作風を比較的模し易い(たとえ外見だけの話としても)作者と、それを試みれば、たいがいの者はとんでもないことになってしまう作者とがいる。
原田拾六という作者は典型的後者であり、影響力を持ちながらも過去にこれまで全く「近い」作風すら寄せ付けていなかった。試みた者のすべてが「コケて」いた。
かつて原田拾六氏を訪ねていた折、寡黙な青年をけっこう長きに渡って見かけた。
それが小出尚永さんである。その時、14年間の修業中であったそうだ。

 

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数年前その小出さんが独立し、初窯を出すというので楽しみにしていたが、果たして原田氏を正しく継承してそこに本人の強い方向性と意志を感じさせる、すでに完成度の高い作品群を確認して感動したものだ。
以来、今回で四度目となる窯になるが、毎回新たな焼成や素材への試みが加えられていて、そこには明確なビジョンも見てとれる。
現在の小出さんは以前のように寡黙ではなく、語る内容が作品によく反映されているのを頼もしく感ずる。
作風と人間との一致が良い方向に現れているのだろう。
現時点でも充分、見るべきものを多く含んだ作行きであるが、その将来をさらに楽しみにしていてよい作者である。

 

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実際に手に取って見ていただきたい作品群です。
みなさまのご来場をお待ちしております。