今西 公彦 Imanishi Masahiko
略歴
1971年
丹波立杭に生まれる
2001年
兵庫県三田市に築窯
2010年
丹波立杭に築窯

伝統を踏まえた現代の作品、というものは有りそうで無いものです。
古代より続く「伝統の産地」からは、近世以前の伝承が途絶えていることがその理由です。

 

現代、産地にて伝統を復興させたり「本気で」研究したりしていると、その地ではまずはとりあえず「異端」と見なされ肩身が狭くなる、というのが案外知られていない実態です。
何処も表向きには「伝統の産地」との看板を掲げているからです。
理由はともあれ、そういう作者がもし本当に居れば、まぎれもなく絶滅危惧種であることに間違いありませんが、この界隈に「無形文化財」はあっても「絶滅危惧種」の指定は無いのは明らかな落ち度であると思っています。実際には後者の方が、後世のためには随分有益なのですが。

 

さて、縁をいただいてから現在までの間、見る限り今西公彦さんは、そのために試行錯誤し孤軍奮闘したりしながらその志の実践を試みる稀少な作者といえます。
現代においてそれをバランス良く展開するという、ある種非常に難易度の高いことに挑み、その成果を得るという丹波本来のやきものを志す第一人者として、丹波陶を愛好する者の立場から今西公彦さんには日頃とても期待しています。

 

皆様には、是非ご高覧下さることを切望いたしております。

2019年1月    ギャラリーラボ