森本 良信 Morimoto Yoshinobu
略歴
1976年
岡山県に生まれる
2000年
自宅に穴窯を築き、古陶の焼成研究をする
2004年
個展にて作品発表を始める
2007年
瀬戸内市牛窓町に移転
2012年
備前陶と高麗茶碗を中心に「侘び道具」の研究をする

本道、というものは如何なる分野にも存在するものなのですが、「現代性」などという「子供の理論」がまかり通り、なおも正当化される業界においては、それが省みられる機会は激減するものです。
ただいまの備前陶の極度の不振はまさしくそれが要因であるのですが、関係者のほとんどが「紹介しやすいもの、売りやすいもの」に走る無恥で無責任な繰り返し(これからも当分続くものと思われます)の結末に他ならぬものと確信しています。備前において備前より逃げる者も続出する昨今の現状です。

 

このたび備前の森本良信さんの作品をご紹介するにあたり、幾度かの搬入のその最終便にて本当に久々に、冒頭に述べた「本道」を確かに実感させる作品を手にしました。

 

備前陶の本道が加速して絶滅しつつあるこの時期において、これは快挙と断言してもよいことですので、私どもはたいへん喜んでおります。
皆様に共感していただけるか否かでさえ、此処に於いては無明でよい、と思わせる作品が複数あります。(自分で欲しいだけかもしれません・・・が、すべて皆様に先にご覧いただきます。因果な仕事です)

 

この世のやきものの種類は全部で二種類のみである、と思っております。
「良いやきもの」と「それ以外のやきもの」です。

 

矛盾するようで誠にすみませんが、どうぞご高覧下さいませ。

令和元年五月 ギャラリーラボ