鈴木 大弓 Suzuki Hiroyumi
略歴
1981年
仙台市にて生まれる
2005年
韓国、聞慶および慶州にて修行
2009年
信楽にて独立
2016年
伊賀に工房を移す

鈴木大弓さんは先年、信楽から伊賀へと引っ越しました。
それでも焼いているのは「信楽」です。李朝のものも同じく注力しています。
それは次のような理由によるものです。
大学で陶芸サークルに「何気に」入り、そこで黄瀬戸茶碗「難波」の写真を見たことにより「本気」でやきものを志した鈴木さんは、卒業の頃にはその道に進む決心をしていました。ですが、宗教民俗学者の父君から「まっとうな仕事に」就くよう猛反対されました。
実にもっともなことです。
しかし食い下がる大弓さんに対し「海外で修行するのならば」という条件を出せば諦めるであろう、という父君の期待も空しく、氏は韓国へ修行の旅へ出ます。千漢鳳氏から仕事に対する姿勢を、その後名手朴松一氏から轆轤を学んだ大弓さんは帰国独立するにあたって美濃ではなく、その頃最も「気になっていた」信楽を選びました。まさに“縁に随う”を絵に描いたような行程、更には「日本人は李朝と信楽で死ねる」の実践でもあるわけです。

このたびは、その鈴木大弓さんが李朝のなかでも素材を一新して現在特に集中する「粉引」そして、そこに“辿り着いた”「信楽」の二本立てでの当廊初登場です。
力作が揃っています。ご高覧下さい。