粉青面象嵌経筒

作品番号5REV

作家名池西 剛

共箱

外形寸法12.2w × 9.6d × 28.2h (cm)

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粉青沙器はご存じのように15世紀の朝鮮半島で最盛期を迎えたやきもので、経筒は平安・鎌倉・室町にかけて作られた仏教経典の写経を納める筒型の容器でした。この作品は経筒の造形を粉青沙器の文様で彩るという池西氏ならではの取り組みとして作られた作品です。
粉青沙器の文様の面白さは、中国的な精緻の極みと対極をなし、どこかおどけたような面白さや味わい深さを感じさせ、文人や数寄者達を喜ばせて参りました。本作は経筒ならではの凛とした造形上を李朝ならではの文様が所狭しと埋め尽くし、見る者を引き込むような魅力を有する作品となっています。

面象嵌とは文様の部分を彫り、そこに化粧土を塗り重ね、さらにその部分を削り出す、言葉で言う以上に手間暇がかかる作業を経ることによってのみ生み出される作品です。 粉青沙器の中でも見る者を圧倒する存在感を持っています。手間をかけたから良い作品ではないのですが、そこからしか生まれない〝美〟もあるように思えます。
経筒の造形には様々なものがありますが、本作は池西氏所有の青銅の経筒の造形に触発され作られたものだと思います。
連弁文や唐草文が線刻や搔き落としではなく面象嵌で描き出されています。本作は面象嵌でなければ表現し得ない味わいを有する作品となっています。
蓋を取り花入れなどとして多様にお使い頂ければと思います。
目線を近づけて頂ければ、青味を帯びた粉青釉の濃淡や貫入、胎土の伸縮により生じた干割れ、土の中から湧き出した鉄の結晶などが見て取れ、それが作品に重厚感・存在感を加味することをご確認頂けます。