石山 哲也 Tetsuya Ishiyama
略歴
2~3歳
物心ついてから石収集を始める
5歳
幼稚園を年少で退園
8歳
170万年前の地層でオオバタグルミを採集
9歳
遺跡で土器、石器の採集をする
信楽焼締めの湯呑を買う
11歳
川で採集した水石を骨董屋に売って 小遣いを稼ぐ
16歳
高校一年までテレビなしで育つ
反動でテレビ狂になる
18歳
遺跡発掘を始める
李朝面取白磁壺を買う
29歳
陶芸家を志し、信楽に移住、現在に至る
40歳
インドで念願のババグーリの縞瑪瑙を拾う
41歳
香港に公共で初の薪窯を築窯

まず、「水面」にモノを埋める。
次にそれを「化石化」する。地上のあらゆるものがその対象となる。
そして仕上げは「ゼロとイチとの結界である”水面”ごと地上に物体として出現させる」。
これが石山哲也さんの水面晶シリーズです。
通常、これらの作品は2メートル四方か、小さなものでも6、70センチくらいの大きな作品群です。

 

以前から私はこの作品群にたいへん興味を抱いており、何とか手元にと機会をうかがっていたのですが、なにしろ大きいですから、部屋の模様替えひとつするにもクレーン車やフォークリフトが出動する騒ぎになってしまうので、さてどうしたものかと思案していました。

 

昨年、久し振りに石山さんの工房を訪ねた折、手のひらサイズの水面晶群の出現、をお願いしてみたところ、案外快くこれを引き受けて下さり、約一年かけてさまざまなヴァリエーションを制作していただきました。
これらの水面晶は、繰り返しますが手のひらサイズです。
したがっていろいろと並べても場所を取らないし、移動も瞬時、そして何より時折り裏返しにしてみたりして楽しむことができます。
実際に手に取って多角的にみることで、このシリーズに込めた石山さんの細やかな手技と世界観が充分に伝わって来るので、このサイズは特筆すべきことなのです。

 

と、いうわけですので「石山哲也の小宇宙」を是非お手に取ってご高覧の上、お楽しみ下さればと存じ上げます。

2016年10月 ギャラリーラボ 企画