次回予告
児玉みのりさんの当廊初個展です。
その作品は、古代ガラスに存在したパート・ド・ヴェールという技法により、一点ずつ元型を作っては素材をそれに被せ、焼成後に型を壊して取り出し、取り出し後の処理にこれまた膨大な時間を要する製作工程から生まれます。資質と合致しなければ継続不可能と思われる作業のせいか、現在これを手掛ける作者はたいへん稀少です。
このパート・ド・ヴェールに更に児玉氏独自の工法を重ねることで、鉱物や古代生物を連想させる質感や、海や空あるいは天体のような色彩のみならず、酒を張ればいきなり模様が立体となり、「窓」が現れ、新たな色彩が浮き出る景色は、呑む前からすでに酩酊したかと錯覚させます。
実際、ガラスでこのような質感や水利きの変遷を見せるものを他に知りません。その質感はやきもの以上にやきものらしさを感じさせ、使用時にみられる3Dステレオグラムのような変化は強烈で感激必至ですよ!
また今回特に注目すべくは、パート・ド・ヴェールでは技法的に無理とされていながらも、試行錯誤を重ね実現させての初登場となる「徳利」です。この技法による徳利はこれまで世に類例を見ず、酒を入れて光に透かせた景色は必見です。
吹きガラスによる作品も出品されますが、こちらもやはり氏ならではの技法と工夫が施され、パート・ド・ヴェール同様、まず類例を見ないものとなっています。
“重度やきもの病”の方々、並びにやきもの作者さん達からも大好評をいただいた一昨年の「やきもの通信」に続く今回の初個展には、さらなる強力な最新作が揃いました。どうぞお見逃しなく!!
ほんとうに『絶大におすすめ!』なのですよ(^^)/
3/19追記です
図録は昨日より届き始めたばかりですが、ご注文が集中し重複も出始めましたので本日図録公開いたします。
たとえお好みのものが売約済みであっても、今回はどれを選んだとしても使用の際に喜んでいただけることを確信します。現在まだ余裕がございますのでお早めにどうぞ!