長戸 裕夢 Nagato Hiromu
略歴
2009年
京都府立陶工技術専門校 研究科卒業
2011年
京都市立産業技術研究所 陶磁器コース 専攻科修了
愛媛県 砥部にて作陶

長戸裕夢さんは砥部の作者です。

 

砥部は18世紀半ばより現代に至るまで連綿と続く、染付磁器の産地です。

 

その窯元に生を受けた長戸さんですが、やきものに接した当初から磁器ではなく「土物」を志したそうです。

 

氏の作品を初見したとき、まず印象に残ったのが線の良さです。立体でも平面でも線には作者生来のものがまず出て来ます。

 

あと、これはとても抽象的ではありますが「第一線」で長く活躍している人には、共通する特有の気配感と行動特性、そして入力に対する反応性やものの観かたというものが有るものですが、氏にはそういったものを看てとれるのが楽しみです。

 

なぜ今回こういう書き方をするかといえば、当廊がお付き合いさせて頂いている作者さんのなかで、圧倒的最年少(!)であるからです。年齢を重ねれば作品が良くなるかと言えば、その逆の例もいくらでもありますが、何より先述の「気配感」は最大の期待値となりますので、その場合は年少であることが頼もしく思えるのです。

 

当廊でお願いする作者さんの基準はいたって簡明で、当廊の者が自腹で買おうと欲し、実際にそうする作品の作者であるということです。これは厳格なルールなのです。

 

長戸裕夢さんはそういう作者です。

2017年9月 ギャラリーラボ 企画