初めて京都の植葉さん宅を訪ねた折、とにかく大きな色とりどりのネコかキツネのようにみえる不思議な物体がド～ンと控えていて、おお～！とおどろいたものです。

複数の異なる遺伝子をもつ生物のことを、ギリシャ神話の「キマイラ」に因み「キメラ」と生物学では呼ぶそうです。
植葉さんのキメラは、染色を思わせる図柄と配色、そしてその造形にまずは目を奪われますが、作者の内のどのような因子の融合体なのかを作品ごとに読み解いてゆくのが、氏のキメラ作品に接するうえでの大きな楽しみです。

本展はキメラや酒器や碗を中心に、穴窯焼成のものや、当廊の特注品なども出品される予定です。
植葉さんの個展開催は四国では稀少なことですので、どうぞこの機会に植葉香澄の世界をご覧下さればと存じます。皆様のご来廊をお待ちいたしております。