戸田優美子さん新作の「曜変織部」は、とにかくその現物をご覧頂きたい作品です。
一見、朝鮮唐津かに思えるコントラストですが、手に取って自然光で眺めると、黒釉にみえた部分は実は深～い緑色で、 そこだけを見ていてもとても美しいのです。
更にその上の白釉にみえるところは・・・いろいろな青や黄、金銀色などが入り混じったり、結晶が入ったりしていて、 それはもの凄い景色になっています。また、組成は異なるものの、どこか「曜変天目」の気配も（より有機的で複雑ですが）感じられるのです。これは必見ですよ！

そして戸田さん特有の織部は、従来の堅固なテクスチャーを保ったままに、より造形に「おさまり」と「まとまり」を見せています。

二十年前、池西剛氏の門を敲いてからひたすら重ねてきた地道な努力と思考と、天性といえる素材に対する感覚とが結実し
た成果が、このところ見る側に明らかになってきたことは、その当初から見守る者として嬉しいかぎりなのです。

是非！現在の戸田優美子が存分に現れた本展をご覧になってみて下さい。