鈴木 都 Suzuki Shu
略歴
1984年
東京生まれ
1990年
土を掘りはじめる
1997年
美濃古窯跡を訪ねる
2010年
瀬戸に居を移す
2011年
愛知県立窯業高等技術専門校修了
土岐津・高山にて制作を開始する
2015年
郷之木古窯の地へ移る

やきもの屋にやきものを買いにやって来る小学生など、現時点で私は未だ出くわしたことはありません。 もしいるならば将来一体どんな人間になるのか、とても興味深いところです。

 

ですが最近、そうやって大人になった人間には会うことができました。
それが今回ご紹介する鈴木都さんです。

 

やきものを紹介するために制作者と会っていてしばしば感ずるのは、この現代社会にとって生活必需品とは言えない「やきもの」を、今わざわざ生産する者はどんな気違いじみた物好きかと思いきや、意外なことに作ることが好きではあっても、肝心のやきものそのものにほとんど興味がないとしか思われない作者が驚くほど多いことです。
「陶芸教室」ではこれが当たり前だとしても、「やきものきちがい」でない作者が作るものは、それがいかに器用にこなされていても一見して分かり、その魅力には常に限界を纏っているものです。

 

鈴木都氏の作品を初見の折り、「もの好き登場!」を感じ取ることが出来てとても嬉しかったのですが、お会いすると年若いし、(やきものの良し悪しに年齢は実にどうでもいいことですが)あまり実例を見たことがないせいか(陶家に生まれ幼少期から土を触っているからといって、良いやきものが出来る例も現代では数少ないようです)、まさかそこまで「年季が入って」いたとは、と恐れ入ったものです。

 

幼少の頃からやきものに本当に没頭していると遂にはこうなる、という稀少な実例をどうぞご覧下さい。

2018年10月   ギャラリーラボ