小出 尚永 Koide Naoe
略歴
1978年
兵庫県尼崎市に生まれる
1999年
備前焼作家原田拾六氏に師事
2011年
牛窓町に登り窯を築窯し独立
2013年
初窯を焼成

師を正しく引き継ぐ、ということはそう簡単なことではありません。
ましてやそれが原田拾六氏のものであれば、尚更のことかと思います。
その独自性が並ではないからです。「表面取り」をすると、たちまち悲惨なことになります。

 

小出尚永さんは原田氏のもとで、14年間の修業の末「原田様式」を体現しています。
前人未到のことです。後に続く者も望めません。

 

小出さんは修業抜けするまで、師に強く勧められても、自分自身のものは一切焼かなかったそうです。師の作品が一点でも減る、というのがその理由です。
実にまっとうな思考法です。が、これを14年間続けるのは、まっとうなことではありません。
やきものは、「焼いてなんぼ」のものだからです。
そのうえで小出さんは、独立後の初窯の折り、すでに現在の作振りを焼き出していました。
これは通常、話だけ聞くと「ほんまかいな?」というような摩訶不思議なことなのですが、小出さんの場合だと「ああ、そうですか」ですみます。

 

小出尚永さんは、そういう人です。
どうぞご確認ください。

平成三十一年二月    ギャラリーラボ