多久 守 Taku Mamoru
略歴1952年
岡山に生まれる
キャリアの長い人は通常、「習慣的に繰り返す」か、「無理に新しいことを意識してする」ことに陥ることが多いように思います。前者は惰性を生み、後者の場合たいがいは「新旧共倒れ」となります。
そのどちらにも行かなくて済むには如何なる心持で仕事に臨むのでしょうか?
多久守さんの「行」のような仕事ぶりからは、その解答のひとつが示されているように思えます。
氏の作品に接してすでに多くの時を経ましたが、今昔一貫しているのは、備前という域の中でひたすら模索し仮説を実証するという習慣です。すでに「習性」の域に達しているように見えます。
前回までの自己否定が、ごく自然に感じられるのはそのことによるのでしょう。
今回のものも、以前の作行とは趣を異にしています。
そんな多久守さんの元号を跨ぐ新作展を、どうぞご熟覧下さいますようお願い申し上げます。
平成31年4月 ギャラリーラボ