縦に入る線が植物の根のような力強さを感じます。
地に根をはっていくさまのようであったり、栄養を吸い上げているさまのようであったりと生命力の感じる作品です。
貝殻から突き出たような首の部分は、パールのような光沢で光があたる角度によってゆらゆらと水面のような輝きを見せます。
首に酒が垂れて滴が溜まるといっそう美しいだろうなと思い、何回も注いで試してみたのですが、奇跡的なキレの良さで残念ながら首に溜まることはありませんでした。
が、「奇跡的なキレ」と表現したのには理由があります。
実はこの徳利、注ぐたびに高確率で口辺に水滴が数滴とどまるのです。
しかもまるで時間が止まってしまったかのように、重力に逆らいながらとどまります。
軽くふったくらいでは落ちません!?躍起になって落とそうとすると飛び散りました。
しかし、とどまった水滴をジィーっと眺めていると、貝殻のような首の部分から反射してくる光と景色と水滴とが相まって瑞々しさが増し、魅力倍増です。
使っているとまだまだ新しい発見があるのではないか、と期待させてくれるような作品でした。