黄瀬戸酒盃

作品番号7TEV

作家名池西 剛

共箱

外形寸法8.5w × 6.8d × 4.2h (cm)

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池西氏の黄瀬戸は、原典に忠実な金属器を祖形とするもの、同じ窯で焼かれていた志野の造形を思わすものなどが代表的ですが、本作は明らかに織部の沓茶碗に触発され作られた作品です。

織部の沓茶碗の造形に黄瀬戸の意匠を持つ本作ですが、あたかも古い時代から作られていたように違和感のない佇まいとなっています。油揚手の黄瀬戸釉は、志野や瀬戸黒・沓型などの造形にもよく合うことを証明した作品です。
池西氏の〝織部様式〟の造形を持つ作品からは一貫して完成度の高さを感じますが、珍しい沓型の造形でもその精度の高さは全く変わりません。
器形に合わせた茶溜りや淡く現れたタンパンの抜けが趣を感じさせる見込です。見込が広く取れる沓型ならではの酒映りの良さをご堪能頂けます。
腰部に目線を近づけてみれば、無数に配した箆目が見て取れ、本作が多くの面により構成されていることが分かります。
楕円に切られた高台ですが、上部の造形と微妙に角度が変えられたことにより、破綻の無い造形となっています。