大森さんの作品を見ていていつも思うのは、作為(陶芸界では禁句なのですが)が有ろうが無かろうが、好きであろうが無かろうが、そこに本人が確かに居る、という必然性の存在です。この点に限っていえば近代の作中でも確実に突出しています。
さてこのぐい呑もいかにも「大森、作」の造形です。
そしてこの作品の見るべき所は、側面の強い弾力を持った肌合いから高台脇の「見事!」なレア肌(これは本当に良いですよ)への移ろいで、後で気づけばきれいに「天然ザンギリ」との片身替りとなっています。このルックスが手取りとも合致していて、不思議な造形ながら妙に品性をうかがわせています。
手に取って、よくご覧いただきたいものです。
7. 備前ぐい呑
作品番号ORA0016
作家名大森 礼二
箱共箱
外形寸法8.0w × 7.6d × 5.7h (cm)