この「泣く子も笑う」人物文は、丸田氏の得意とするもののひとつです。
この絵柄は古唐津では「橋渡農夫文」と呼ばれ重宝されているもので、実は現在丸田氏が工房を構える内田皿屋の窯で、慶長年間に焼かれていたものです。
オリジナルは、鍬らしきものを担いだ人物が、まさに橋を渡ろうとしている図柄ですが、丸田氏は人物をより繊細なタッチで表現し、橋の代わりにモダンな黒菱繋ぎをあしらい、その造形に対比して、爽やかな雰囲気を出しています。
ベタな発想で申し分けありませんが、吟醸系の酒を、まず呑んでみたいと思いました。
「はし」の代わりに「ひし」なのは シャレなのかどうかは、私は知りません。