不思議なことなのですが、
「唐津の平盃」は明らかに、他の平盃やぐい呑と違った酒の雰囲気となります。
なぜだかはわからないのですが、気のせいではありません。
未体験の方には是非、試してみていただきたいのです。
この平盃には、唐津のエッセンスが凝縮されています。
実にオーソドクスな気配をもちながらも、見込みを覗き込めば、朴訥に描かれた草文の上に白胡麻状のほのかな窯変や釉の掛けはずしによる「火間」など見所が豊かです。
高台土見せも「唐津だなあ…」としみじみと感じ入る土肌が出ています。
こういう盃は飽きが来ず、末永く使えるものです。