3. 備前徳利

作品番号2QEV

作家名小出 尚永

共箱

外形寸法8.5w × 8.2d × 14.3h (cm)

容量12.8ml

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ひと昔前まで、地元の陶商さん達が「窯変」と呼んで珍重して(値も高い)いた焼き成りの中でも最上質の徳利です。

私は「窯変」という呼び方には違和感を覚え、好きではない(すべてのやきものは「窯変」なのです)のでこの呼称を使いませんが、そんなことに関係なく素晴らしい焼き成りです。

この種の焼き成りでは応々にして、’土肌が死ぬ’ことが多いのですが、この徳利は大変に良い生きた土肌が現れています。「サンギリ」の部分もよく喰い付き、緑や紫色の変化に加え適度なコゲも出ていて「見事!」です。
渋さも派手さもよく共存し姿とのバランスも良い絶品です。

あえて「お勧め」という必要もないでしょう。

非常に良い土見せと、自然サンギリの上に喰い付くコゲとの対比が絶妙です。
首から肩、腰にかけての緑変がとてもきいています。
肩部の紫変とその月面を思わせるマチエールが、私はたまらなく好きです。土肌も良く生きています。
こういう土肌が、良い感じで育つのです。この部分のコゲとの対比も、やはり絶妙です。
白く見える部分は灰による「中央あばた底」で古備前でいえば「年忘れ」の徳利などの底と同類です。