私は大前悟氏の白楽が特に好きなので、白楽の良いものを、ということで入手したのがこのぐい呑です。
本阿弥光悦のDNAで作られたこのぐい呑は姿が「乙御前」、景色は「不二山」という贅沢な構成になっています。
オリジナリティーというものに固執する者の大半はコケます。
例外は数十年にひとり出るか否か、といったところです。
なので通常はまず、先人から徹底して長く習うなかで自然に生じる「ズレ」が、本当のオリジナルな部分なのです。
そんなわけで、DNAを明確にあらわす、という大前氏の姿勢は潔く、拍手を送りたいと思っています。
彼のキャリアはすでにベテランの領域なのですが、今後も充分期待ができる作者です。
この作品は近年の「大前悟の楽シリーズ」の進化形といえます。