今回は同形の四方片口を3点ご紹介していますが、少しずつ大きさや注口の位置、焼きなり(特に内側の表情)が違います。
この作品は注口が、左手で持つ時向こう側に付いています。
このあと紹介している2作品と比べ、どういうところが違ってくるのでしょうか。
まず右手親指の位置を口の付いた面に掛けると、手酌だと手前に、対面に注ぐのであれば向こうへと、そのまま少し回転させるだけで無理なく、見た目にも美しく注ぐことができます。
後述しますが、注口が手前側に付くと、この親指の位置が注口の無い器形正面に来ると、今度はいずれも手首を少し傾けると、やはり自然に注げます。
この違いは、いずれが機能性に勝るかといったものではなく、自身では器の見える風景が、第三者からは注ぐ姿が違って見えるということです。
これは各々好みが分かれるところです。興味のある方は、是非両方試してみてください。
気分だけではなく、酒盃との相性も異なってくるので不思議なものですよ。