作品の魅力を問われた際、こと『本作品に限っては』明確な最適解が存在します。
緑釉の美しさ?もちろんそれも解の一つです。新緑ではなく深緑。初々しさではなく安寧の緑。ゆえに、確かな心の安らぎが自ずと保証されます。
しかし前述の最適解は、実は『群を抜くほどの圧倒的な持ち心地の良さ』です。手に持った際の衝撃は、残念ながら写真では伝えきれません。奇異で非対称な造形は無論存分に目を楽しませてくれますが、最大の恩恵を受けるのは指です。持ち上げた際に当然あるはずの緊張感は徹底的に排除されており、違和感やストレスを感じる暇もなく作品と指との同化が始まります。恐怖とも呼ぶべきこの体験は、言うまでもなくすぐさま快感へと変わり、日々繰り返す事ですっかり中毒となってしまったとき、ついに同化は完了を迎えるのです。
さあ
覚悟は良いですか?
(日野)