まさに滝のように岩に当たって流下する水の如き斑釉の迫力に息をのみますが、ここで特筆すべきことは、流下した先の土見せとの境である「釉どまり」がスッと収まっていることです。
斑はここが溜まるとうるさく品の無いものになりますが、ここが本作品のようにきれいに切れることにとって品と強さとが共存します。このように激しく流下する景色をもちながら釉どまりがきれいな斑作品は、そうお目に掛かれるものではありません。形姿の張りに対する口辺の開き加減もきまっていて、これもまた秀逸な徳利に仕上がっています。

3. 斑唐津徳利
作品番号MMA0060
作家名丸田 宗彦
箱共箱
外形寸法10.0w × 10.6h (cm)