12. 唐津皮鯨片口ぐい呑

このぐい呑の「不思議な」魅力は今回の展覧会冊子NO.12の「扁壷徳利」と共有するものです。
こういう「釉もの」と「焼き締め」との共存は、外から見ていて思うよりも”はるかなる稀少成功率”なものです。
それがどうした、ということではなく「NO.12」とこのぐい呑は共に焼き締めニュアンスを充分留めながら「綺麗に」上がっていることが特筆したい点です。「きれいに」という感覚の幅はおそらく、それぞれの立場の日常の断面に対する反応なのでしょうから、やきものと付き合う上ではとても大切なポイントである、とかなり真剣に思っています。