まるで古瀬戸を思わせる釉調に瀬戸黒の造形、氏の最新作のなかでの変わり種(今回はいつも以上にこれが発生しているようです)の目玉作品です。他に類例は今後も含めてまず無いと思われます。
桃山期のやきものにも作行が変遷するときに、ある素地にそれとは別の釉を施したものを見ますが、この作品も以前の瀬戸黒用の素地に新しい「ぐいのみ手」の釉をかけ、焼成法も変えたものだそうです。
ぜひとも近くで実際に見て頂きたい茶碗でして、本当に先週窯から出てきたとは信じられない古格が感じられます。
古瀬戸が「ぐいのみ手」の祖だと考えてみても、とても興味を惹かれる作品です。 「茶うつり」も良いですよ。
13. 黄瀬戸「ぐいのみ手」茶垸
作品番号IGA0105
作家名池西 剛
箱共箱
外形寸法11.2w × 9.0h (cm)