白瓷伊賀灰釉坏

作品番号TTA190

作家名谷本 貴

共箱

外形寸法8.0w × 4.6h (cm)

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旅の供であり、旅の舞台でもある本坏を扱う者には、例外なく至福の時間が保証されることでしょう。

各色が集まる華やかなオールスターのような正面顔は、色だけでなく数多(あまた)の石爆ぜにシャープな線刻に高台部の不規則な突起にと、

目の休まる瞬間など一切なく、それに反比例して心は実に休まる一方です。

正面から少し道を外せば、そこが地球かどうかの確証も得られぬほどに乾いた砂漠地帯。

旅を進めればオアシスのごとき救いの艶、生命の痕跡かと見紛うほどの表情豊かな起伏、どれだけ歩を進めど新たな出会いには一向に事欠きません。

 

大きさと重量は甚だバランスが良く、思い立った瞬間にすっと持ち上げれば5本の指のみで簡単に上述の旅に出られます。

一見ダイナミックに見える凹凸も、実際の使用時は指の動きを妨げたり口当たりに不快さを残すようなものではありません。

今か今かと潤いを待つ多彩な見込と、壮麗な景色を有する高台にまで歩みを進めるのならば、至福の旅は極めて永く続くことでしょう。

 

貴方の供であり貴方の舞台そのものでもある本坏に導かれるなら、やはりそこに例外などないのです。

(日野)