山口 真人 Mokoto Yamaguchi
略歴1978年生まれ
2000年
加藤裕重(霞仙陶苑)に師事
2007年
東海伝統工芸展 入選
日本伝統工芸展 入選
愛知文連美術展 入選
瀬戸市美術展 入選
日本伝統工芸展 入選
愛知文連美術展 入選
瀬戸市美術展 入選
2008年
朝日陶芸展 入選
瀬戸市美術展 市長賞
瀬戸市美術展 市長賞
2009年
東海伝統工芸展 入選
山口真人さんは、近年特に精力的に多彩な作品群を次々と繰り出してくる、とても興味深い作家です。
私が初めて氏の作品に接したのがまだ5,6年程前だったと思いますが、偶然とあるデパートで「紅志野」とキャプションに記されたぐい呑を見かけ、その手触りがとても堅実で確かだったので(近現代の志野ではこれは珍しいのです)買い求めたのが最初で(現代のデパートでやきものを買おうなどと思うことも、私的には稀なのでした)その後、新しい作風を発表されると入手したりしていましたので自宅にはいろいろとあるのですが、当廊で発表させていただくのは、これが初めてです。
前述のように山口さんの作品群はとても多彩なのですが、とりわけ私が好きなのがこの鼠志野シリーズです。
私は勝手にこれを「赤志野」と呼んでいて10点ほど私蔵して使う機会も多いものです。
志野や織部の名称の分類はいずれも近代以降によるもので、いまだに確定されていませんが、“研究者達が本当にやきもの好きで情熱を持っていた”昭和40~50年代には、鼠志野が冷却条件により赤く発色したものを「赤志野」と呼んでいました。高根山の窯で焼かれた鉢が有名です。(「紅志野」はまた別のパターンです。)
山口さんの「鼠志野」にはその「高根の赤志野」の風情を感じさせるものがあります。
今回はその「山口真人の鼠志野で四方片口酒注と徳利の「ギャラリーラボ仕様」の制作をお願いし、同じく同手のぐい呑各種と合わせて皆様にご紹介いたします。
いずれもその焼きなりが「高根の赤志野」を思わせる秀逸な作品が揃いました。片口の酒切れも素晴らしく綺麗です。手取りもそれぞれ実によく、是非お手に取ってご覧いただきたい酒器群です。それではどうぞご覧ください。
2017年1月8日