5. <企>の「この音源を聴け!」 第3回

 

意味のないことを書き連ねるのであれば、手短な方が良い。ここは「ギャラリーボラ」なのだ。

 

では、まず Arnold Schoenberg / Three piano pieces op. 11
筆者はこれを、グレングールドのピアノで聴くことが多いが、第一回で紹介したヴェーヴェルンの楽曲と同じく、無音状態よりも更にその空間を静かにする音楽である。どちらも20世紀初頭より始まる無調性(特定音のハーモニーで落着しない。ハ長調とかイ短調とかで表せない)音楽なので、これを耳にしても落ち着かず、「安心」できない者が多いようだ。だが、それはこの国の一般初期音楽教育のレヴェルの低さにすぎず、少なくとも「ギャラリーボラ」のせいではない。

 

さて、そこでやきものの話である。オブジェだ古典だ現代アートだという不毛の分類もまた、間違いなく初期教育の弊害である。これらを分類して安心してみたところで、人類に何の思惑ももたらさない。
では手短に結論。「商業的都合以外の不毛な分類はただちにやめてシェーンベルグを聴け!」。

 

次に Johann Sebastian Bach / The Art of Fugue, BWV 1080
これは筆者が後期思春期以降、常に「寝ている時も」聴き続けているものなので客観不能で、同じ作曲家の「カンタータ全集」をお勧めするのが筋だとは思うのだけれども、こちらは全曲「通し」で何度が聴き終えると、それで一生も終わる。
なので、この邦題が「フーガの技法」であるJ.S.バッハの対位法(説明略)の集大成を、「是非とも、寝ながらでも聞け!」。

 

今回は「手短に」書けたのだ。
ちなみにこのコーナーに「読者の声」が反映されることは、まず無い。ここはなにしろ  ――つづく――

 

Glenn Gould_Arnold Schoenberg _Three piano pieces op. 11

Glenn Gould_Arnold Schoenberg _Three piano pieces op. 11