短い やきものの常識は疑え!始めました。
「やきものの常識はまず疑え!(「まず」はなかったかも知れない)」では、文が長い(実際には草稿の五、六分の一ほどに省略している・・)、解らん(やきものに興味を持ち始めて間もない方々にも解る内容を、と常に心掛けているが・・)、という方もいらっしゃるそうなので、出来るだけ短く平坦に♡を心掛けてのこの欄です。自己営業妨害といえる本編で、すでに触れた内容もそうでないものもあります。 解りやすいが故に自律神経などに支障をきたし、ご家族に八つ当たりなされても当方は一切責任を負いませんので、その場合の捌け口は劣悪な国政ならびにそれを許容する現代社会にお求め願います。

その11.

 

その11. その9.でふれた、やきもの取扱店の各分野の簡単な説明です。

     短い解説文の羅列ですが、全体ではやや長めになるので、必要な部分のみお目通し下さい。

 

 

<ふつうのやきもの店> 文字通り、ふつうのやきものを扱う店です。ふつうのやきものとは、この国代々のやきもののDNAを継承した現代のやきもののことを指します。本来「良いやきもの」が望ましいのですが、そういった作品が極めて少ない現状であり、この分野の店は作者探しに難航するのが常態です。需要の質は高いものの、その数は元よりそう多くは無い分野なので、本来「ふつう」であるはずのこの分野の店は今や絶滅危惧となっています。

 

<子供用品店>現代のやきもの市場で最大のシェアを占めるのが子供用品です。従ってその販売店、顧客数が他分野を圧倒する現況です。急増する外国人客もほぼこの分野に集中しています。多くの現代人の嗜好に合致しているので、これは当然のことでしょう。いつの時代にも「おもちゃ屋さん」は必要なのです。

 

<婦人用品店>1970年代から80年代にかけて、地方の小さな町に至るまで何処にでも存在した、日用品を扱う店です。旦那の退職金などで主婦が運営する「趣味の店」が主流で顧客もほぼ女性で占められ、その数も決して少なくないのが特徴です。扱う品がやきものでなくとも販路や売り上げが変わらないのが特徴です。一時期は下火となっていましたが、近年は運営、顧客ともに男性が急増し、子供用品に迫る市場規模と拡大しています。そろそろ「婦人」を「殿方」に変えてもよいのですが、その内容や雰囲気が同等であるのでそのままにしました。

 

<有付加価専門店>文字通り、付加価値の付いたものを中心に取り扱う店です。付加価値とは例えば、無形文化財、公募展受賞、血統、著名人、権威者推奨などのことで、バブル経済と共に終焉を迎えたかと思いきや、老舗著名店や百貨店などでいまだ健在のようです。需要があれば供給もあるわけです。

 

<茶道具店>古美術の茶道具店ではなく、稽古道具も置く一般的な茶の販売店のことです。「お茶の稽古」に通う人々がやきもの販売店で道具を揃える例はなぜか極端に少なく、自らの見立てや道具そのものに関心が無いのがその理由のようです。茶の湯人口の激減とともに、こういった店も姿を消しつつあります。

 

<百貨店>デパート美術画廊のことで説明は不要かと思います。真性やきもの好きは通常あまり利用しません。

 

<模擬百貨店>個人商店ですが、百貨店のようにお客の懐具合の洞察と営業に長けた、優秀な商人さんの運営する店です。販売力はありますが、やきものへの見識や愛情は問われないようです。

 

<よろず屋>いろいろなものを置いていますが、専門分野や一貫性が感じられないのが特徴です。流行りに飛びつくのは子供用品店、婦人用品店や百貨店などと似ていますが、より節操の無さが目立ち、営業力にも差が見られます。当然ながら長くは続かないようです。

 

<古美術店>文字通り、古美術を扱う店です。これらの大半は、現代陶(つまり取扱い商品以外)には興味がなさそうですが、付加価値があれば扱うこともあるようです。

 

皆様がご贔屓になさるお店が、どれに該当するかは各自ご判断下さい。