その16. 骨董屋さんへ
細かい貫入や梅花皮があれば「井戸」というのはやめて下さい。井戸など市場に出回りません。
江戸末の黄色い瀬戸製品を「黄瀬戸」というのはやめて下さい。
一合程度の小徳利を「お預け徳利」というのをやめて下さい。
常滑の山茶碗を「猿投」というのもやめて下さい。
大正から昭和にかけての製品を片っ端から「江戸末期」「幕末」というのはやめて下さい。
立場上素人ではないのだから「雑器」という言葉は使わないで下さい。ついでに「初荷(うぶに)」というのも、発音の際の言葉の響きが汚いのと、その実態もインチキくさいのでやめて下さい。
売り値を聞けば嘘の仕入れ値をいうのもやめて、売り値のみを簡潔に答えて下さい。「旧家から出た」に至っては、誰も関心はなく聞いてもいませんが、頻発していると信用を失うのでやめた方がよいと思います。
「にせもの」を「ほんもの」というのは、真に受ける方が悪いのでご自由にどうぞ。