3. 「ダイレクトメール」の話   池西剛

 

ゴミ箱直行型D・Mというものがあります。

どのようなものかといえば、ちらりとひと目見た直後、タメ息と共にゴミ箱に放り込まれるD・Mのことです。

他の何ものでもありません。それらは、何の迷いも見直しや再検討の余地もまったく感じさせない、見事なまでの明解さをもっています。

ハガキ一枚であるか、豪華冊子であるかという問題ではありません。ハガキ一枚でも良いのです。D・Mは作品です。

まずはそれがわからない画廊が作ったものは皆ダメです。額装として飾っておきたいほど美しいものでなくとも、掲載作品と等量の制作エネルギーを感じさせることができれば、そう簡単に「直行便」とはなりません。

この、「本当にダイレクト」なD・Mを送り付けてくる画廊のものは、たいてい毎回もれなく直行となり、そうでない画廊のD・Mは、たとえ掲載作品が好みに合わなくとも、そう簡単に捨てられません。そういうものなのです。

なので、画廊の皆様、D・Mはその画廊の顔であるということを忘れないでください。