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このコーナー「やきものの常識は疑え!」は、やきものギャラリーおよび美術館の企画、または関連書籍や陶芸作家の言動や作品、あるいは、現代社会において楽しく充実した生活を送るすべを心得ておられ、現在この国は民主主義であると何の疑念も抱かずに受容されている方にとって、必要なことは何一つ書かれていません。閲覧により不快感、吐き気、嘔吐、食欲不振、めまい、ご家族への八つ当たり等の症状があらわれた場合、ただちに閲覧を中止し、当方ではなく医師・薬剤師・唎き酒師・祈禱師などにご相談下さい。乳幼児、小児にこれを読んで聞かせる場合はご家庭の教育方針への抵触にご注意下さい。また、本稿を閲覧しながらの自動車及び機械類の運転操作はしない下さい。

67. やきもの思考

 

 

電線にスズメが14羽とまっていました。

そこへカラスが1羽やって来ました。

ぜんぶ合わせて何羽でしょう?

 

「15羽」!

 

間違いです。

 

通常の場合カラスがやって来れば、健全なスズメであれば逃げ去ります。

縄張り意識の強いカラスは、スズメがいなくなればそのまま立ち去るかもしれません。

したがって、正解となる可能性として最も高いのは「1羽」か「0羽」です。

ただし、常に絶対そうとは限りません。

そのスズメたちとカラスは、何かのご縁で仲が良いかもしれません。

ですがその場合にも、10羽のスズメすべてがそうとは限りません。

そうでない通常の場合でも、なかには「根性」があったり、身の程をわきまえず闘争心のみ強い者や、実際に強いスズメなどがいるかも知れません。

 

つまりこの設問に対しては、「カラスが1羽かカラスもいなくなり0羽となる可能性が高いが、そうでない場合は不明であるものの、15羽となる可能性は最も低い」という回答が適切ではないでしょうか?

 

 

やきものを観察したり実際に焼いてみたりする場合、少なくともこういった思考法と、各々の生態の他「彼らはなぜ仲が良かったのか」「その個体が根性や並ならぬ闘争心を持つに至った原因について」などの考察ならびに検証が不可欠です。

やきものは単なる足し算では上手くゆきませんし、良い部分の集積が良い全体ともなりません。

 

やきもの関連の報告書や研究紀要などを見ると、上記のように「足せば当然15羽」といった机上の空論の典型か、回答そのものを避けた内容でその大半を占めています。

やきもの関連の出版物や論評などを見ると、「電線に凧が引っ掛かったら電力会社に連絡しろ」などといった類の、もはや設問からは脈絡不明の内容でその大半を占めています。

 

“戦後学校教育の弊害”のように思われますが、それにしてもなぜ、やきもの業界ではその傾向が極度に強く、また放置され続けるのでしょうか?