その2. やきもの作者さんの話
やきもの作者さんたちが、常にその作品の品質を向上させたいと考えるならば最良の方法があります。
それは、やきものに興味をもつことです。
なぜこういうことを述べるのかというと、やきものに興味をもつやきもの作者がとても少ないからです。
皆様、やきものの作り方には普通に興味があるようですが、それだけでは陶芸教室の延長となります。
他人様にやきもの作品を紹介する立場の者は、作り方に興味を持つ以前に、先ずやきものに興味が無ければなりません。やきものに興味があるか否かは、その作者がやきものを見ている姿や少しの会話から容易に判明しますが、もちろんそれ以前に作品にも顕われています。お客様たちは、それぞれ自らのやきものへの興味や見識の度合いに合わせて作品を選ぶので、作者とお客様の「傾向と性質」は比例し成り立っています。販売店とお客様の関係も同様です。やきものと真剣に生活を共にする方に興味を覚えていただくためには、作者にはそれ以上の興味と見識が必需です。そこは「お客様に教えられる」のではいけません。