池西 剛 展
令和3年3月6日(土)~3月14日(日)
11:00~18:30 水曜定休
池西剛在廊日 3/6(土)、7(日)
- ごあいさつ -
池西剛氏と当廊とのお付き合いは、氏が今治に築窯して間もなくの頃ですから、たしか今年で28年目になるかと思います。今治に来られて間もない頃、ほぼ毎月のように五連房の登窯をひとりで焚かれていた光景を想い出します。
ひと窯ごとに大きく変遷を続けてきた池西作品ですが、このたび氏の協力のもとにギャラリーラボ所蔵のこれまで未発表であった作品を併せて、その変遷の全貌を現在当廊で可能な限りご紹介する本展です。
池西さんにとって、やきものを観ることが各時代の人間やその歴史の背景を知るのに最適であったので、曰く、 「見ているだけより、焼いてみたほうがよく判るのでは・・・と思って作陶に手をつけてみたら余計にわからなくなった。いまだに続けているのはただそのため」なのだそうです。
このたびは、氏がやきもの制作を生業とし始めた1987年から当廊で直近に発表した2019年までの様々な作品より選んでの出品です。それぞれの制作年は特定出来ておりますが、敢えてそれを記さずにおきましたのは、「やっていることは入口から出口まで同じで、材料が違うだけ。自分という人間も十歳過ぎからほとんど変わらず、環境が違うだけ」とのご本人の弁に随い、作風が変遷しても一貫してその内に流れるものをぜひとも感じ取っていただければ、という意向によるものです。作品の奥ゆきや品格には、その人そのものが現れます。
本展で、その積年の「成果」を通して皆様にご覧いただける機会を持てることを幸いに思います。
ギャラリーラボ 野間 省一
小野 銘子
時を経ることでようやく客観できることがあります。
「窯出し」という不可避の恐怖も、遠く過ぎ去ることで良い想い出となれば・・・と願います。
池西 剛