池西 剛 展
– 李朝の系譜 –
令和4年6月11日(土)~6月19日(日)
11:00~18:30 水曜定休
池西剛在廊日 6/11(土)、12(日)
- ごあいさつ -
池西さんの作品を30年前の初個展より拝見しておりますが、氏が同じところに留まっているのをいちども見たことがありませんので、その創造の源について伺ってみたことがあります。
「確認しなくてはならないことを順番にやっていれば、何かひとつ判る毎に判らないことが十や二十は湧いてくる。湧いてくるのは『創造の源』ではなく『不明の点』であるので、従ってすることには事欠かない」、とのことでした。また、「やきものの仕事は“素材9でこちらが1”の共同作業なので
こっちの労力は著しく省エネとなり、そりゃ長続きもする」そうです(笑)。
氏の一挙一動からは、やきものに関わる歴史の流れの中で自らの役割と責任というものを大切に考え、それをやきものへの畏敬の念を添えて逐一行動に移されているのを見て取ることができます。
本展には「李朝の系譜」というサブタイトルが付きます。今回新登場の「萩」は本来李朝直系のやきものですが、いつしか李朝らしさが失われ現代に至ることから、萩を手掛けるのは30年ぶりという池西さんは、大道の原土をそのまま活かしながらも「本来李朝」を顕著に表した強力な作品に仕上げられています。
他にも黒高麗、伊羅保、柿の蔕、片身替り、掛け分け、刷毛目などが豊富なバリエーションでのお目見えです。池西作品特有の品格、強さ、美しさを、ぜひ皆様と共有できればと心より願います。
ギャラリーラボ 小野 銘子
著名な指揮者であったヘルベルト・フォン・カラヤンさんは、ステージに出るとまず好みの女性を客席にひとり見つけ、その日の演奏はその人のためのみに行うと良い演奏が出来たそうです。
同列に並べるつもりは毛頭ありませんが、自己の確認行為として関わったやきもの制作が期せずして生業となり三十数年続きましたので、喜んで下さる方々が存在するのであれば、その方のために作るということがあっても良いのでは・・・と、そろそろ思える今日この頃です。
池西 剛
– お知らせとお願い –
※ 図録掲載作品の別面の詳細画像などのご要望につきまして、 購入希望の方にお応えいたしております。尚、対応は会期3日目以降となり、本展では6月13日(月)より順次対応させていただきますが、店舗と図録によるご成約優先のため、その間にご要望作品が売約済みとなりました場合は対応をご容赦願います。