丸田 宗彦 展
令和4年7月9日(土)~7月17日(日)
11:00~18:30 水曜定休
丸田宗彦在廊日 7/9(土)、10(日)
やきものにもやはり「三回目の壁」というものがあり、入手後二回までは楽しく使えても、なぜかそれ以上は一向に手が伸びないものがある一方、その壁を越えればその器とは末長く付き合える・・という現象です。長くなるのでこの場では割愛しますが、その理由や法則性は在るようです。唐津というやきものは一般に「素朴」というイメージを持たれ易いように、とりわけ素材感の顕著なやきものなので、それでは素材が正しく形姿をそれらしくすれば「三回の壁」を越えられるかといえば、どうやらそう単純な問題ではなさそうです。
私的な体験ですみませんが、古唐津と呼ばれる慶長期以前のもので、この壁を越えないものにこれまで遭遇せず、それ以降現代までのものでこれを越えられる唐津は極めて少ないという印象です。
その中にあって丸田宗彦さんの唐津は、古唐津を寫すという体裁をとっていないものや、陶土素材の小品においても、「唐津本来のやきもの」として日々のヘビーローテーションに堪え得る実に稀少な現代唐津であると断言します。お手に取ってご確認下されば幸甚です。
ギャラリーラボ 企画
丸田さんは、いつも作品とその構成を厳選して下さりますが、本展作品の第一便はいつもより少なく、「数がとれなかった」そうです。数がとれない窯出しの場合、とれた作品の質が高い傾向にありますが、作品展開催の場合ではある程度の数量があるほうが、お客様には喜んでいただけます。
今回丸田さんは、第一便を送り出した後すぐに次の窯に取り掛かり、このたび最新作第二便が届きました。
第一便とはまた趣が異なり、内容も優れた作品が揃っていましたので、急遽、図録「Ⅱ」としてもう一冊作成することにいたしました。結果として二冊合わせると質量ともにたいへん充実した内容となりました。
ですが、この図録が皆様のお手元に届くのは会期が始まって後となってしまいますが、どうぞ先のものと併せてご高覧下されば幸甚です。
2022年 7月7日 ギャラリーラボ