鈴木 都 展
Suzuki Shu
令和4年11月19日(土)~11月27日(日)
11:00~18:30 水曜定休
鈴木都在廊日 11/19(土)、20(日)
本展のテーマである「猿投系列の焼締ならびに灰釉陶」は、志野で周知の鈴木都さんですが、実は以前より「やきもの通信」を想定してお願いしていたものです。それから数年を経て都さんは穴窯を築窯し、当廊で今年3度目となる個展を迎えるにあたり、ちょうど都さんも自らの作成周波がその部分、つまり“猿投、古瀬戸、常滑に端を発する中世焼き締め陶”に照準設定されており、このたびの鈴木都史上、初の焼締ならびに灰釉陶のお披露目展となりました。
かつて「六古窯」と曖昧に定義された中世古窯生産地は、猿投山西南麓で焼かれた須恵器の流れを汲む焼締ならびに灰釉陶(現在は「猿投」と呼ばれます)より派生した瀬戸、常滑とその技法の伝播による越前の他、信楽、備前、丹波などが一般に知られる産地として現在もそう呼ばれています。特に白瓷(しらし)と呼ばれていた灰釉の猿投陶は独特の品性を備えていて、それに続く平安末期の常滑陶と並びこの国のやきものの中でも特に傑出したものが残されています(なぜか信楽や備前に比べ一般的にはあまり周知されていないのが残念です)。
そのような往年の猿投の白瓷、常滑の雰囲気と気配を備えたものは、これまで近現代作の中には全く見ることが出来ませんでした。さて、これは内緒で秘密の話なのですが、昨今こういった仕事に於いて「期待を上まわる作品」というものには滅多に出会えるものではありません。「期待の範疇」であれば、まずはとにかく喜ぶべき・・・というのが現状です。
前置きが長くなりましたが、このたびの鈴木都さん初の白瓷と越前を中心とした最新作の展開には、期待こそしていたもののそれを大幅に上回る快挙!となりましたよ。「これぞやきもの!」という領域に見事に入っています。というわけですので、これまでこういったやきものにご興味が無かった方々も、是非お手元に先ずひとつ置いてみて下さい。また、すでに都さんの志野のファンであった皆様には、鈴木都というやきもの作者の底力が確実に此処に在りますので、どうぞこの新たな境地をご確認下さいませ。
ギャラリーラボ 企画
– お知らせとお願い –
※ 図録掲載作品の別面の詳細画像などのご要望につきまして、 購入希望の方にお応えいたしております。尚、対応は会期3日目以降となり、本展では11月21日(月)より順次対応させていただきますが、店舗と図録によるご成約優先のため、その間にご要望作品が売約済みとなりました場合は対応をご容赦願います。