山田 洋樹 ー志野の織部は志野織部にあらずー 展

山田 洋樹

ー志野の織部は志野織部にあらずー 展

令和5年2月18日(土)~2月26日(日)

11:00~18:30 水曜定休

山田洋樹在廊日 2/18(土)、19(日)

 

- ごあいさつ -
「織部」というやきものは、一般的には慶長後期に元屋敷登り窯で焼かれた沓形の黒茶碗や緑釉が施された変形向附などが思い浮かぶことと思いますが、織部陶を“古田織部好みの造形様式によるやきもの”とすれば、現存する最も精緻で完成度の高い「織部」は、志野茶碗 銘・卯花墻と同一作者の一連の作品だといえます。
折り紙に譬えれば、これらの志野茶碗を折り鶴だとすると、元屋敷の黒織部や織部黒沓茶碗は、正方形の紙を対角線で二つ折りにするに留めた三角形に該当します。
志野にとってその造形様式は重要ですが、それ以上に大切なのが釉調です。
本展は、近現代以降その志野本来の釉調を成し得た唯一の作者である山田洋樹さんに、敢えて一般に馴染みの織部である「元屋敷窯の織部」の造形様式を採用した志野の作成をお願いしたものです。
元屋敷窯(東窯以降の登り窯期)では「志野織部」と呼ばれている薄手の釉に緋色の無い手のものが焼かれていましたが、先述の一連の志野の雰囲気とは異なることから、「登窯になり焼成効率が良くなったため志野の釉調がだせなくなった」などと言われ続けていたものですが、山田さんのもうひとつの偉業としては、そういった俗説が間違いであることを実証したことです。
「周知の織部らしい造形の志野」というのは一見至って簡潔なテーマながら、「志野織部」ではなく、これまでの歴史上には実在しなかった「釉が志野でも志野の織部」であり、加えて既存の“織部イメージ”に実際の“織部様式”を融合させた作品もある・・・という実は結構ややこしいテーマでもあります。
山田氏ならではの釉調は更に深化し、志野好きには堪らない最新作が揃いました。
この新鮮な実体験を皆様と共有することが適えば幸いです。

ギャラリーラボ 企画

 

 




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– お知らせとお願い –

※ 図録掲載作品の別面の詳細画像などのご要望につきまして、 購入希望の方にお応えいたしております。尚、対応は会期3日目以降となり、本展では2月20日(月)より順次対応させていただきますが、店舗と図録によるご成約優先のため、その間にご要望作品が売約済みとなりました場合は対応をご容赦願います。