山田 洋樹 展
志野
令和5年7月15日(土)~7月23日(日)
11:00~18:30 水曜定休
山田洋樹在廊日 7/15(土)、16(日)
- ごあいさつ -
「志野」と名の付くやきものは、桃山期に同一作者によりごく短期に作られた少数の“真正もの”と、同時代の他作者による比較的現存数の多い“真似た類品”、そして江戸末期に再認識されて以来、昭和に入り一般愛好者の広く知るところとなり、現在まで多くの作者が手掛けるやきものです。
銘「卯花墻」「広沢」「朝日影」「峯紅葉」「羽衣」などの茶碗を始めとする当時の同一作者による“真正の志野”は生産数も現存数も少なく、ましてやその後現代に至るまで“近現代巨匠作品”なども含め、「これぞ志野!」と堂々と言い放つことのできるものを見かけることは一切ありませんでした。また古美術界隈では桃山時代のものでさえあれば、当時の他作者による出来の悪い類品も「ほんもの」となり超高額取引されている現状ですが、“真正”が市場に出回ることはまずありません。
志野の場合、“真正”の最も重要な基準は釉質です(茶碗、水指の場合、“織部様式”の造形もそれに続きます)。毎度申しておりますが、その基準に従えば、近現代を通じて唯一の“真正”の志野を焼き出すことに成功したのは、これまでに山田洋樹氏ただひとりであると断言します。具体的には、本展図録表紙の類の釉肌が山田氏独壇場の「これぞ志野!」です。現代製“真正の志野”についてはほとんど諦めかけていた長年にわたる志野愛好者として、奇跡ともいえる嬉しい出来事なのです。 今回はそれに加え、造形に風格、品格、そして細部の工夫や手取り感とともに進展が確実に見て取れ、鼠志野にも優品が散見できます。
そのようなわけで、今回個人的に即刻欲しいものがいろいろあるのですが、開催店として先に次々と押さえるのは反則なので、先ずは泣く泣く皆様にご紹介いたします。
筋金入りの志野好きの方、志野にはうるさいぞと自認する方、ふつうの志野好きの方、志野に興味があるのだけれども何を選んでよいかお悩みの方、これまで志野には興味がなかった方、桃山のそこそこの志野でも出れば億越えと諦めていた方、やきものはもう腹いっぱいでいらんという方、その他の皆様もぜひ山田洋樹の「志野」をお手元に置いてみて下さい。
自信を持っておすすめいたします。
ギャラリーラボ 企画
※価格表を含む各画面はクリックにより拡大してご覧いただけます。
– お知らせとお願い –
※ 図録掲載作品の別面の詳細画像などのご要望につきましては購入希望の方にお応えいたしておりますが、対応は会期3日目以降となり本展では7月17日(月)より順次対応させていただきます。
尚、店舗と図録によるご成約優先のため、その間にご要望作品が売約済みとなりました場合は対応をご容赦願います。