池西 剛 展
令和5年10月21日(土)~10月29日(日)
11:00~18:30 水曜定休
池西剛在廊日 12/23(土)、24(日)、25(月)
池西さんの続けて来られた「自己の確認行為としての作陶」の功能は、現在では確実に“他の誰か”のために
向かっていると感じます。
本展で中核をなす柿の蔕は開窯当初より手掛けられており、その後一時期(20年あまり!)見られなかったものの、近年“とあるご縁”によって再び多くのバリエーションを伴ってこの世に現れることとなりましたが、やはり氏とこの素材との相性には只ならぬものを感じます。近作ではさらにその種類が拡がり、見込が藍色となる「藍柿の蔕」や赤い「底紅(そこべに)」の他、片身替りや見込みの一部が紫に発色した「紫藍手(しらんで)」、「底紫藍(そこしらん)」などがありますが、今回がお披露目となる「彩華(さいけ)」シリーズは、色釉をポイントで打つことで、柿の蔕や伊羅保の侘びた風情に華やぎを同居させた画期的な作品となっています。因みにこの命名は『サイケデリックの「さいけ」』、だそうです。
初期の頃はひと個展で五十数種類のやきものを出品し、その度にグループ展と間違われていた・・という池西さんは、最近でこそ珍しくなくなった“多種多様なものを手掛ける作者”の嚆矢といえるわけですが、今回は特に、ひとつひとつの器の中に新しい発見と驚きが多いのですよ!
むかし、昔、そのむかし、無心で遊びを考え懸命にあそんだ経験からくるのでしょうか・・・天命なのかもしれませんね。新しく生み出される作品は、日々の積み重ねから幾重にも濾過され湧き出てくるものと思いますが、泰然自若の様相はご本人と重なり、本来“日本人”が持っていたはずの感覚を呼び起こさせてくれます。作者の望む「最後の仕上げ」の旅は、まだまだ終わりそうにありません。
ギャラリーラボ 小野
元来やきものを作ることよりもやきものそのものに関心がありますので、爾来結果として作陶は続いているのでしょう。素材には常に助けてもらっています。
池西 剛
※価格表を含む各画面はクリックにより拡大してご覧いただけます。
– お知らせとお願い –
図録掲載作品の詳細画像送付のご要望につきましては、会期3日目以降(本展では12月25日(月))より順次対応させていただきます。但し店舗と図録によるご成約優先のため、それまでに売約済みとなりました作品につきましては何卒ご容赦お願いいたします。