池西 剛 展
令和6年12月26日(木)~12月31(火)
11:00~18:30 水曜定休
- ごあいさつ -
池西剛さんが自作を手元に置いて楽しそうに使っている、という光景を以前はまったく想像できませんでしたが、昨年より登場した「彩華」シリーズは、自分で何度も使ってみて客観的にとても楽しいということです。「彩華」は、別のものを試作中に偶然出て来たそうですが、窯を開けた瞬間に「サイケ!」という名前が付いたものの、実際にそれに目が慣れてようやく触ってみる気になったのは翌日だったそうです・・・。
初めて見せていただいた際、私たちが「これは面白いのでは」ということで、早速皆で使わせていただいたのですが、時と共に面白さを越えてやきものとしての良さが次々と現れてくるのでずいぶん驚いたものです。単発で終える予定だったという彩華ですが、窯を出すとその場で「次のもの」が浮かんでくるということで、今回で四窯目となる最新作ではこれまで以上に多くの種類と数が登場し、素材、焼成、釉などが毎回変化し続ける池西作品の中でも、一見して明らかな新展開となっています。なんと楽しいことなのでしょう!
細かな説明を加えるより、まずはこの図録をご覧下さればと存じますが、絵画や仏教美術にもこれまでずいぶん「つぎ込んだ」池西さんならではの世界観の融合により、華やかさと寂びとが同じ空間に凝縮され、実際に手に取れば、色彩の豊かな中にもこれまで以上に質感の落ち着きと深みを感じ取れます。
あっと驚き!の発見が盛りだくさんの、間違いなくこのシリーズ最高といえる傑作が揃いましたよ。
やきものを生業にされた当初からの「本来の日本人」に向けた仕事をという池西さんの志は、私もかつて拝見した氏の初個展以来、新作が出るごとに唯一無二の確かな形となっています。どうぞお手に取ってご高覧下さいませ。
ギャラリーラボ 小野 銘子
思春期以前より現在に至るまで、「自分らしさ」や「独創性」あるいは「勝ち負け」などという類の、他者との相対性がその全てであるものに関する興味が一切無いので、自分の仕事はこれまでの実体験により感銘を受けたものの編集ならびに翻訳作業だと思っています。
ものを観るということと、食物を摂取するという行為は自分にとって同質同列のことですが、考えてからやってみるのではなく、やってみてから考えるという順序については留意しています。したがって食べる前に「消費期限」について思いを馳せることもありません。
池西 剛
※価格表を含む各画面はクリックにより拡大してご覧いただけます。
– お知らせとお願い –
※図録(本体)表記作品名ならびに価格の訂正です。
図録本面No.18 誤「彩華徳利」→正「縒彩華徳利」、No.49 誤「枯彩華井戸酒盃」→正「柿の蔕枯彩華酒盃」
図録に添付の価格表面No.98 誤「27,500」→正「275,000」 謹んでお詫び申し上げます。