山田 洋樹 展
令和7年4月19日(土)~4月27日(日)
11:00~18:30 水曜定休
山田洋樹展のたびに同様のことを繰り返し述べていますが、志野には「ほんとうの志野」と「それ以外の志野」の二種類があり、前者は桃山期に「卯花墻」の作者の手掛けた志野のことを指します。
つい数年前までは、この「ほんとうの志野」はすでに市場に出回らなくなって久しく、稀に出ても既に行く先の決まった内輪での数億円での取引のみという実態であり、「ほんとうの志野」を入手する機会は、陶片やそれらを呼び続ぎした向附くらいが現実的なものでした(それすらもけっこうな値が張りますが・・・ネットオークションなどでの贋物ならば山のようにあります)。
随って志野好きは、近現代以降の「志野という名の付いたやきもの」の中から、それぞれ独自の魅力を感ずるものを探し求めるより手段は無かったわけです。
なぜならば、「ほんとうの志野」と同質、あるいはそれに比類する質感を持つ志野が桃山期以降には現れていなかったからです。
数年前、突如現れた山田洋樹さんの志野を眼にした際、それが「ほんとうの志野」と同質であることに、非常に驚くと同時に死ぬほど嬉しかった記憶はまだ新しく、「ほんとうの志野」を求める機会が現実となりました。つまり志野を選ぶ選択肢が次の三択に増えたわけです。
まずは、この界隈特有の因習である陰湿なコネクションを取得し超大枚(西洋絵画に比べればまだ“可愛らしいもの”ですが)をはたけば、数十年に一度機会がある(かもしれない)「元祖・ほんとうの志野」、次に先述のように数は少ないながらも探せばある「志野と名の付く魅力のあるやきもの」、そして近年新たに「山田洋樹の志野」が加わったというわけです。これは志野好きに
とって何とも幸運な一大事件と言えます。
先述の「卯花墻」に“国宝”などという実に余計な冠がついているため、志野という名が先行し
却ってその実態の掌握が蔑ろにされて久しい現況のなか、“ほんとうの志野好き”が「ほんとうの志野」を求めるのであれば、現実として「山田洋樹の志野」一択であると確信をもって断言します。
本展は釉調、造形ともに更に深化した志野!が揃っています。必見をお薦めいたします。
ギャラリーラボ 企画
※価格表を含む各画面はクリックにより拡大してご覧いただけます。
– お知らせとお願い –
※ 図録掲載作品の別面の詳細画像などのご要望につきまして、 購入希望の方にお応えいたしております。尚、対応は会期3日目以降となり、本展では4月21日(月)より順次対応させていただきますが、店舗と図録によるご成約優先のため、その間にご要望作品が売約済みとなりました場合は対応をご容赦願います。