鈴木 都 展
令和7年6月21日(土)~6月29日(日)
11:00~18:30 水曜定休
- ごあいさつ -
日本の中世陶には「良いやきもの」の要素が凝縮されています。
これらは大陸より伝播の後、数世紀を経て平安期に和様化し、鎌倉、室町を経て桃山に至るまでの間に焼かれていたやきもので、昭和40年代当時に判明していた六つの中世陶窯として「六古窯」という俗称(その後同時期の古窯が各地で発見されているので、現在では「中世古窯」と呼ぶのが適切です)で呼ばれていたものを含みます。 ほとんどの古陶磁同様、技法の伝承や文献資料などは残されていないものの、その「現物」は豊富に現存しています。これらは紛れもなく「これぞ日本のやきもの!」と誇れるものが多数現存しますが、この時期特有の気配、品位と勁さを纏ったやきものが、かつてそれらを生んだ各産地から絶滅して久しいことを非常に残念に思っていたものです。
それがつい近年、魅力ある志野を焼く代表作者として知られる鈴木都さんにより、千年近くを経ての再登場となったのは、数少ないやきもの大事件と言えます。焼き成り、姿、そして最も肝心である品位を含め、まさに「再来!」といえる素晴らしい内容です。現代陶愛好者の中において、筋金入りの中世古窯好きはなぜか少数派という不思議もありますので、ここは「鈴木都の底力!」との紹介のほうが通りが良いかも知れません。 初登場の前々回、前回もその萌芽は充分に見られましたが、今回は更に鈴木都さんがこれらのやきものを生むのは職務として宿命であるということを感ずる作品群です。
皆様に御目こぼし頂けましたらば晴れて私物となる予定のものがいろいろございますが・・・お先にどうぞご高覧下さい!
– お知らせとお願い –
※ 図録掲載作品の別面の詳細画像などのご要望につきまして、 購入希望の方にお応えいたしております。尚、対応は会期3日目以降となり、本展では6月23日(月)より順次対応させていただきますが、店舗と図録によるご成約優先のため、その間にご要望作品が売約済みとなりました場合は対応をご容赦願います。