大前 悟 展
令和7年7月12日(土)~7月20日(日)
11:00~18:30 水曜定休
- ごあいさつ -
今回の大前悟展は、二種の新機軸が登場しましたよ!
ひとつは黒で、氏のこれまでのものと釉調や質感が異なります。黒の色調と質感に奥行と立体感があり、そこに様々な色が混在していて、造形との相性も良いので、たいへん面白味のあり使って楽しいやきものとなっています。先日、大前氏から「最近、いい感じの黒が出来た」と聞いておりましたが、果たしてほんとうでした。これはお薦めですので、本展の中核といたしました。
もうひとつが、これまでの「不二山」の赤版、「赤不二」です。
こちらも、以前より構想は伺っていましたが、このたび初見ですが、やはり面白いやきものです。
この仕立てだと、赤の発色がとても不安定なのだそうです。光悦のものにもありません。
その他、大前悟の大定番といえる不二、加賀、井戸、土器などの諸々も造形の収まりに進展が見られます。というわけで、質量ともに充実する本展となりました。どうぞご高覧下さい。
ギャラリーラボ
古のヤキモノを写し取るには当時と同じ土や釉薬原料を使って同じ窯で同じ焼き方をしなければ出来ません。土や釉薬の組み合わせをいじりまくっても同じでは無く寄せるだけの作業になります。
寄せる作業をしていても鮮度が良いヤキモノにはならないと近頃そう思います。
古のヤキモノを抱きながらスコップ持って淡路島の大地をさまよって持ち帰った土や原料で作る事が類似したヤキモノが存在しない淡路島でしか作れない作品になります。
大前 悟
大前さんの上記にあるように、“いにしへ”のものに「寄せる」「似せる」作業をすると、やきものはつまらないもの、延いてはニセモノとなります。
もうひとつ大切なのは、「古のヤキモノを抱く」というところですが、“いにしへ”に在るものを題材にする場合、その作者がやきものに対峙する日々の実態があからさまになり、その起源がどれだけ細胞に入っているか、それとも傍観者の感想文程度のものなのか、ということが露顕するわけです。
要は共通言語を使用することで、「創作」以上にその人間の自己が表出することになりますので、恥知らずでない限りとても骨の折れる作業です。そういった覚悟と鮮度が確かに感じられる大前悟さんの新作です。
ギャラリーラボ 企画