17. <企>の「読んでも役に立ちませんよ」第九回

 

 

第九回 新しい情報

 

最近流行りの『ChatGPT(幅広い分野の質問に詳細な回答を生成できるというAIによる回答システム)』に,「柿の蔕茶盌について教えて下さい!」と質問したところ、即刻に次のような回答が得られた。

 

 

『柿の蔕茶盌は、日本の茶道具の一種で、柿の皮や種子を発酵させた「蔕」と呼ばれる物質を使って作られた茶碗です。

蔕は、柿の皮や種子を水で洗い、そのまま乾燥させて発酵させたものです。蔕には、タンニンなどの成分が含まれており、茶の渋みを和らげる効果があります。また、蔕の色は、濃い茶色から黒色まで様々で、自然な風合いが美しいとされています。

柿の蔕茶盌は、その名の通り、蔕を使って作られた茶碗です。茶碗の内側には、蔕を混ぜた釉薬がかけられており、茶碗の色合いや風合いに深みを与えています。柿の蔕茶盌は、一般的には小ぶりで、茶をたてるのに適した形状が特徴です。

柿の蔕茶盌は、日本茶を飲む際に使用されます。蔕の効果により、茶の渋みが和らぎ、香りや味わいを引き立たせることができます。また、自然な風合いが美しいため、美術品としても愛されています。茶碗としてだけでなく、インテリアとしても使われることがあります。』

 

 

・・ということだそうだ。
これはなかなか凄い。
初心の者がこれを真に受けたらどうするのだ?という懸念以前に、まず読み物としての面白さにおいて圧倒される。
たとえ内容の真偽において巷の陶芸雑誌や陶磁評論家達と同レベルであろうとも、この壮絶な振り切り感はさすが人間業ではない。所詮その対象に大した興味もなく、充分な実証と検証も重ねずに出まかせを吐き散らすのであれば、せめてこのくらいの潔く開き直ればよい。
犯罪者達も取り調べの際には黙秘などという芸の無いことをせず、このくらい平然堂々と喋ればよい。

 

因みに参考までであるが、下記は試みにもうひとつ重ねてみた質問とその回答である。

 

 

「伊羅保茶盌はなぜ伊羅保茶盌というのですか?」

 

『「伊羅保茶盌」という名称には、沖縄県那覇市の伊羅保地区で生産されていることが由来しています。伊羅保地区は、かつて琉球王国の首里から南に向かって延びる道の途中にある地域で、陶器の生産が盛んでした。そこで、この地で生産されるお茶碗を「伊羅保茶盌」と呼ぶようになったとされています。また、「伊羅保茶盌」は、沖縄県内では広く知られた商品名であり、沖縄県外でも「伊羅保茶碗」と呼ばれていることがあります。』

 

 

こちらも同様、見事といえるほど事実は一切何処にも見当たらない。が、これほど想像を絶する楽しい陶磁器関連の解説はこれまで類を見ない。それでいいのだ。
日々の惰性による脳ミソの腐敗を懸念し発想の転換を求める勤勉実直なる方々であればぜひ試してみることをお勧めする。このサイトの謳い通り上記の如く、何の分野のいかなる質問においても即座に回答が返ってくる。

 

但しこれらを疑いもなく真に受けているならば、人類はやがて巷の陶芸本などを熱心に購読するコレクターと同じことになるであろう。