堀 一郎 展
令和元年10月5日(土)~10月14日(月)
11:00~18:30 水曜定休(10/9)
作家在廊日 10/5 (土) 、10/6 (日)
先日久々に堀一郎さんの工房を訪ねましたが、やはり道に迷いました。
作者さん達の仕事場の多くは、けっして交通の便も良くわかりやすい所にあるとはいえません。
とりわけ堀さんは以前の大湫の工房もそうでしたが、もう三十年以上も前から、まるで隠遁した世捨て人か仙人の棲み家のような山を分け入った隠れ里のような工房で、ときに「弓の名人」が弓をも忘れることへの憧憬など話されながら、ご自身のペースを厳格に保持した仕事を続けてこられました。また近年ではやきもののみならず「たまねぎ」や「じゃがいも」を作っておられ、「これはいくらでもできるから食うには困らん」などとおっしゃっておられます。
そのようなわけで、堀さんが「仙人」と違うところがあるとすれば、どうやら「霞を食って生きている」のではなさそうであること、「杖を振る」のではなく「窯を焚く」ことによってやきものを生み出していること、そして「弓の名人」と異なるのは「ところで志野って何だ?」ではなく、「未だやはり志野はそう簡単にはいかない」と工夫を重ねているところなどでしょうか。
そのせいか、作品の輪郭が近年より明確に際立ってきているようですので、私たちにはとても心強く感じられます。 皆様もその最新作をどうぞご覧下さい。
令和元年10月 ギャラリーラボ 企画
掘一郎さんの工房を訪ねましたよ
堀一郎作「たまねぎ」
工房の入り口です。「扁壺」を制作中でした。
下は長年使用する「手ろくろ」です。
堀さんは昔から、一筋縄ではいかない音楽趣向の持ち主で、ヴェーベルンやアルヴォペルトから中島みゆきまで幅もあるようです。現在の大草の工房は居り屋と工房が別棟となっているので、工房に置かれている一部のCDには、グレン・グールドやフリードリヒ・グルダのベートーベン全集が目につきましたが、「シューベルトに最も共感を覚える」と以前おっしゃっていました。
この日はミハイル・プレトニョフのモーツァルトのソナタが流れていましたよ。プレトニョフはとても素晴らしいピアニストですので興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。
録音の少ない人なのですが・・・。
手前と向こうに見えるのが今回の「仕入れ」収穫!です。然るべきタイミングで皆様にご紹介いたしますが、特に黄瀬戸は逸品揃いですよ!
穴窯です。手前のもので志野を主に、右向こう側にみえる窯で黄瀬戸を焼くそうです。