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鈴木 都 展
鈴木 都 展 令和7年12月6日(土)~12月14日(日)

西洋の音楽、美術、建築、文学などの分野には、それらの作者の意図とは関らず「新古典主義」と呼ばれる様式があります。
その名の示す通り、古典に根差してその時代背景によるアレンジが加えられた様式を指します。
日本のやきものに、この言葉が使われるのをなぜかあまり見聞きしませんが、現在「陶芸」と呼ばれているものの礎は、昭和に端を発する新古典主義の作者達でした。志野というやきものでは、加藤唐九郎、荒川豊蔵の各氏がこれに該当します。
鈴木 都氏は幼少の頃、父親より贈られた加藤唐九郎の著作でやきものに興味を持ち、その系譜を継承する中でもとりわけ優れた志野を焼き、早くから台頭した筋金入りの作者です。
氏が近年手掛ける中世陶の流れを汲む一連の作品からも、この作者が如何にやきものから祝福をもって選ばれた者であるか、ということを充分に見て取ることが出来ます。
本年六月の中世陶の系譜に続き、このたびも質感、表情ともに更なる進捗を見せ艶やかさが内より浸み出で、やきものの良さを十全に堪能できる期待通りの志野新作が届きました。
ご挨拶の文面も思わず新古典調を帯びてしまいましたが、是非とも必見とお薦めできる本展でございます。何卒ご高覧下さいませ。

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